成安造形大学【キャンパスが美術館】SEIAN ARTS ATTENTION Vol.6 現代における信仰とは?「私の神さま|あなたの神さま」 展示記録映像 久門 剛史 《Quantize》
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- Опубликовано: 18 янв 2025
- SEIAN ARTS ATTENTION Vol.6
現代における信仰とは?「私の神さま|あなたの神さま」
会期|2014年10月3日[金]-11月23日[日]
時間|成安造形大学【キャンパスが美術館】12:00-18:00
三井寺8:00-17:00(入山は16:00まで)
会場|成安造形大学【キャンパスが美術館】・三井寺・ホテル アンテルーム 京都(ギャラリー9.5)
出展作家|〈招聘作家〉飯川 雄大 久門 剛史 前田 征紀 森 千裕 Stéphane de Medeiros 金氏 徹平 Alexandre Maubert
〈本学学生〉安藤 尚代 井上 守晃 織田 紗希 織辺 紗邪加 垣内 真央 小林 希衣 坂元 公美 妹尾 優希 瀧川 亜侑美 田代 詩奈 中川 亜伊子 平松 穂乃香 宮崎 こころ 居村 浩平 林 宗将
WEB|artcenter.seia...
主催|成安造形大学【キャンパスが美術館】
協力|三井寺、HOTEL ANTEROOM KYOTO、アンスティチュ・フランセ関西、 NECディスプレイソリューションズ
後援|滋賀県、大津市、滋賀県教育委員会、大津市教育委員会、 文化・経済フォーラム滋賀
撮影|高橋 耕平
【展示記録映像の概要】
久門 剛史|HISAKADO Tsuyoshi
《Quantize》
私は自然や都市の様々な現象を採取し、音や光、立体を共鳴させて空間に豊かなポリフォニーをつくることを作品としています。
窓の外の風景、またはラジオや電話などを通して別の場所を感じることで、いま自分が立っている場所を把握したり、かつての記憶を思い出したり、そういういろんな時間軸がいったい誰の記憶なのか曖昧になってしまう瞬間があって、でもわずかずつでも、その記憶の主を探し、それが自分だと特定させるようなことが、このシリーズの作品制作の意図となっています。
久門 剛史は、光や音の効果が時間軸に沿って変化するインスタレーションを通して、観客が個々の記憶や物語と再会する劇場を作り出す。それは、「現在」という現実に立ち向かうための実用的な判断を要求する時空を超えて、曖昧で混沌とした豊かな記憶の海としての時空へと人々を誘う試みでもある。インスタレーション自体に明確な物語性がある訳ではないのだが、誰もが体験した事がある電話や雨や踏切の音、街灯、炬燵の灯やヘッドライトといった様々な音や光の様子は、否応なく個々人の記憶、そして共有された懐かしい記憶を呼び起こす装置となる。
本展のための新作《Quantize》は、雨の日に車内で人を待つ時に車外の風景やラジオの音楽と共に沸き上る、大小様々な思い出と現在進行形の時間軸のずれや重なりをテーマにしている。日常と非日常の時間の境界が消失し、自分の記憶と他者の記憶が混ざり合う時にこそ、この世界を支配する「時」という神的存在から、私たちは自由になることができるのかもしれない。
【展覧会概要】
セイアンアーツアテンションは、成安造形大学が運営する「キャンパスが美術館」のメイン企画として、全9つのギャラリーを使って、年2回開催する総合芸術祭です。VOL.0を含めて7回目となる今回は、本学客員教授でもあり森美術館アソシエイト・キュレーターの椿玲子氏をキュレーターにお招きし開催致します。
-現代における信仰とは?-「私の神さま | あなたの神さま」のタイトルのもと、既に作家として活躍中のアーティスト7名に加え本学の学生15名が、近接する三井寺、比叡山延暦寺、日吉大社などを訪れ、美術の源流やその背後にある地政学、さらに現代における信仰の対象を考察する中で浮かび上がってきたものから作り出された作品を展示致します。
会場は、「キャンパスが美術館」だけでなく、開祖生誕1200年祭を迎える三井寺、ホテル アンテルーム 京都(ギャラリー9.5)の3つの会場で行います。是非3会場で計23名もの作家による作品をご高覧ください。
成安造形大学【キャンパスが美術館】
現代における信仰、自分にとっての神さまとは何か、また美術とはどういうものか、みなさんは考えたことがありますか?
本展は、滋賀県にある成安造形大学に近接する三井寺(園城寺)、比叡山延暦寺、日吉大社などを実際に訪れ、美術の源流やその背後にある地政学、さらに現代における信仰の対象を考察する中で浮かび上がってきたものを、本学の学生15名に加え、既に作家として活躍中のアーティスト7名によって表現するものです。
天台宗寺門派の総本山三井寺、天台宗山門派の総本山の比叡山延暦寺、日吉・日枝・山王神社の総本社である日吉大社は、美術の原初的なあり方を伺い知ることのできる宝庫でもあります。美術は、本来、宗教建築の一部として発達したものであり、寺社仏閣では本堂(宮)への導線や神仏を具現化した神像・仏像を始めとして、神聖な体験を訪問者に与えるための様々な装置、手法が駆使されてきたからです。
これら三本山(社)建立の背景には、7世紀の朝鮮半島において新羅に百済が敗北したことに起因する飛鳥宮から近江大津宮への遷都があります。 日吉大社は古くは(ひえ/比叡)と読まれ、比叡山と深い繋がりがあり、神仏混合の中で比叡山の守護神的な役割を担ってきました。 一方、三井寺と比叡山延暦寺はかつて対抗関係にありました。 このように、宗教の背後にある力学、地政学について考えることは、西欧では16世紀ルネッサンス期に宗教から独立したとされる美術のあり方についても考えるきっかけとなるでしょう。
また「現代における信仰」を考えることは、現代における価値観について考えることでもあります。 近代以降の資本主義社会と直線的な時間軸は、資本を神のように仰ぐ拝金主義や「時は金なり」といった諺にも伺えるように、全てが有益であるかどうかで判断される価値観を生み出しました。 しかし、世界的に見られる冷戦構造の復活や経済戦争と絡んだ各国の右傾化は、3.11東日本大震災における絶対的な自然の脅威と人間が作り出した放射能の恐怖と共に、資本主義的価値観や国家優先型価値観への疑問を提起するでしょう。
本展の展示は、成安造形大学が運営する「キャンパスが美術館」だけでなく、開祖生誕1200年祭を迎える三井寺、ホテルアンテルーム京都の3つの会場で行われます。 本展が、現代の日本社会と私たち個々人にとっての神仏的存在について考えるきっかけとなり、新しい価値観の可能性を提示するものとなることを願います。
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椿玲子|Reiko TSUBAKI[ キュレーター]
成安造形大学 客員教授 | 森美術館アソシエイト・キュレーター
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セイアンアーツアテンションとは?
セイアンアーツアテンションは、成安造形大学【キャンパスが美術館】が現代において注目すべきテーマを設定し企画運営を行う、キャンパス全体を活用した総合芸術祭のことです。
※Attention=注意、注目する
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